ホーム

〈つながり〉の現代思想 社会的紐帯をめぐる哲学・政治・精神分析

柿並 良佑

明石書店:2018年

〔内容紹介〕

本書が相手とするのは「つながり」あるいは「絆」――とくに2011年の東日本大震災以後、人々の口にのぼる機会の増えた言葉――をめぐる様々な事象である。社会的格差や分断への抵抗として象徴的に掲げられるこの表現は、その一方で政治的・経済的その他の多様性を無視し、ともすればナショナリズムやレイシズムといった負の運動と淫靡に結びついて社会の排他性を補強する危険を伴っている。そこで本書には3領域の研究者が集い、「つながり」を根本的に考えなおすことを目指すことになった。すなわち、デモクラシーなど、人々の平等で自由な結びつきのあり方を思考し続けている政治理論、人間の情念に分け入りながら集団の問題を考える精神分析、そしてそもそも集団を形成する主体とは何かを問い直す哲学、である。異質な他者との共同体はいかにして可能なのか――困難でありながら、我々が日々直面する問題を考える上で多くのヒントが詰まった論集である。

ページトップへ

ページトップへ

サイトマップを閉じる ▲