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大正・昭和期における東北の写真文化

石澤靖典・森岡卓司(共編著)

山形大学人文社会科学部附属映像文化研究所:2021年3月

〔内容紹介〕

 本書は大正・昭和前期における東北の写真史を、8篇の論考により考察した論文集である。
 中心となる「写真篇」の第1章から第6章は、平成30年12月に人文社会科学部附属映像文化研究所が主催したシンポジウムが母体になっている。執筆者は、東北6県の美術館で地域写真史を研究する学芸員であり、それぞれの県を代表する写真家(唐健吾、唐武、小西正太郎、石田喜一郎、千葉禎介、細江英公、小関庄太郎ら)と写真団体の活動を紹介しつつ、撮影された写真の風土性や時代性を検証している。その一方で、「中央」から離れた「東北」としての一体性や隣県同士の横のつながりをも視野に入れている点は、共同研究としての本書の大きな特色といえよう。また「文学篇」の第7章、第8章は、文学におけるリアリズムに軸足を置き直した上で、「東北」をめぐる同時代の写真の在り方を問うている。
 本書は、いまなお知られることの少ない東北の写真家を掘り起こし、それらに通底する「東北的」なるものを探る試みであり、映像文化研究所が平成27年に着手した研究プロジェクト「東北地方における写真文化の形成過程と視覚資料の調査研究」の成果報告書として上梓された。

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