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邦銀のアジア進出と国際競争力

山口昌樹

山形大学人文学部叢書:2012年11月

〔内容紹介〕

 リーマンショックや欧州債務危機に苦しむ欧米系銀行を尻目に、邦銀は公的資金を完済した2000年代半ばから躍進を続けています。絶好調に見える邦銀ですが、海外、とりわけアジアにおいて欧米系銀行を凌駕する優位性を本当に発揮できているのでしょうか。
 この課題に答えるべく本書は主に2つの分析を行っています。1つはアジア諸国におけるメガバンクの競争力をX非効率性の計測から明らかにしたり、シンジケート・ローンやプロジェクト・ファイナンスといった金融プロダクト市場における競争上の位置づけを計量的手法によって特定する分析です。
 もう1つはアジアへの進出が顕著な地方銀行を取り上げ、中小企業の外進出支援に対して果たす役割を調査しました。この分析では地方銀行25行への電話インタビューを敢行してデータを収集しました。また、本年2月と7月には上海において現地調査を行い、地方銀行の駐在員事務所の実態について現場の行員にインタビューしています。
 本書は多国籍銀行分析の対象領域の拡張を主張する研究となっており、邦銀を軸に据えた多国籍銀行研究という分野の端緒を開くものです。

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