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お知らせ

令和3年度山形大学男女共同参画推進研修会 秋月弘子氏「女性差別撤廃条約から見た日本のジェンダー平等の現状と課題」

2022年2月2日

▲Interaction Institute for Social Changeのホームページより”Illustrating Equality vs Equity”

 

2020年1月21日、亜細亜大学国際関係学部教授で、現在、国連女性差別撤廃委員会の委員をされている秋月弘子先生をお招きし、男女共同参画推進研修会をオンラインで開催しました。秋月先生は、国際法の研究者でいらっしゃると同時に、国連開発計画(UNDP)、国連人権センター、国連貿易開発会議など国連関係の機関で勤務されたご経験もお持ちです。

研修会では、秋月先生に「女性差別撤廃条約から見た日本のジェンダー平等の現状と課題」というテーマでご講演いただきました。世界経済フォーラムが公表したジェンダーギャップ指数2021において、わが国は150カ国中120位、とりわけ経済、政治分野のスコアの低さが指摘されています。また第5次男女共同参画計画においては、「指導的な地位に就く女性の割合」について「2020年代の可能な限り早期に30%」と、第4次計画のような「20年に30%」といった明確な年限は設けず、さらに「選択的夫婦別氏」の文言もなくなったといった注視すべき点を挙げていただきました。

こうした現状を踏まえつつ、女性差別撤廃条約(条約本体の締約国は189カ国)に基づく義務として、固定化された男女役割分担概念の変革のため、法の平等にとどまらない「事実上の平等」、個人、団体、企業による社会慣習・慣行の中での差別の廃止を求める委員会の活動をご紹介いただきました。委員会は、締約国に対しおおよそ4年ごとに、条約の実施のための立法上、司法上、行政上その他の措置、およびこれらの措置によってもたらされた進歩に関する報告を要請しています。報告に基づく委員会からの質問・締約国の回答、委員会・締約国の建設的対話を経て、委員会より締約国に対し勧告が出されます。2016年のわが国に対する勧告においては、家父長制に基づく考え方や家庭・社会における男女の役割と責任に関する根深い固定観念が残っていることに照らし、このような役割分担を補強する社会規範を変える取組みの強化、民法の夫婦の氏の選択に関する法規定の改正、女性が多い非正規雇用の待遇是正など、さまざまな指摘を受けました。「不平等な立場の人を優先的に処遇しても差別ではない」という暫定的特別措置を、より一層、迅速に進める必要性を改めて痛感した貴重な時間となりました。

担当:山形大学教授 コーエンズ久美子(人文社会科学部担当)

*講演会の動画は「学内のページ」から視聴できます。当日は140名を超える教職員、学生の皆さんにご参加いただきました。

オンラインで講演する秋月弘子教授(亜細亜大学国際関係学部)

司会(本講演会担当)のコーエンズ久美子教授(山形大学人文社会科学部担当)

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