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卒業生の小林廣樹氏が書籍を出版!

2025年11月4日

2012年に山形大学人文学部法経政策学科を卒業された小林廣樹氏(現・株式会社みらい共創アドバイザリー代表取締役社長)が、自身が専門とする「事業再生型M&A」に関する書籍を日経BPより刊行します。

山形大学在学中に山口昌樹教授のゼミで培った論理的思考力と貪欲に学ぶ姿勢を武器に、金融機関、M&A仲介大手でのキャリアを経て、34歳で代表取締役社長に就任した小林氏。倒産の危機に瀕した中小企業を救い、地域経済を支える彼の挑戦と、後輩への熱いメッセージを紹介します。

I. 刊行された本の紹介:倒産を避け、未来へつなぐ選択肢

このたび、小林廣樹氏の最新の知見をまとめた書籍が日経BPより刊行されます。

タイトル 『再生M&Aという選択肢 事業と社員を守る、事業再生の現場』
著者名 小林 廣樹 著
発行元・発行日 日経BPより、2025年11月04日発行
価格 1,980円(税込)

本書は、経営難や過剰債務に陥った企業が事業を再生、再建する道、特に「事業再生型M&A」の手法を専門家としてわかりやすく解説するものです。

帝国データバンクの調査によれば、2025年上半期の倒産件数は5003件に上り、2014年以降では最悪の数字となりました。この国の経済状況は依然として厳しく、今後もしばらくは予断を許さない状況が続きそうです。こうした中で、倒産という最悪の事態を避けつつ、事業と社員を守りながら未来へとつなぐ選択肢として、「事業再生型M&A」の可能性を論じています。教育、医療、サービス業といった幅広い事業の再生事例と具体的なプロセスが詳細に紹介されています。

II. 小林廣樹氏の経歴と再生型M&Aへの挑戦

1. エリートキャリアとM&Aへの転身

山形県南陽市出身の小林氏は、山形大学人文学部法経政策学科経済・経営コースを2012年に卒業しました。金融機関に入行後、法人営業部の新規開拓グループにて、中堅・中小企業から上場企業等、幅広くの企業を担当。経営課題に対するコンサルティングや事業承継といった資本政策提案を中心とした法人営業に従事し、競合激戦区ながらシェア拡大に貢献しました。約5年間勤務する中で、成約を積み重ね、同期入社のメンバーの中で売り上げトップを獲得し、期待に応えました。

2016年、M&A仲介業大手のM&Aキャピタルパートナーズ株式会社へ移り、M&Aアドバイザーとしてのキャリアをスタート。事業承継型M&Aからアーリーステージの事業再生M&A等を手掛け、約5年間で20件以上の成約に貢献しました。MACP初の銀行出身者として入社した小林さんは、複雑な債権債務を持つ債務超過案件のM&Aを成功させるなど、社内でも高く評価されました。

2. 34歳での代表取締役社長就任

MACPグループ入りに伴い、2021年10月より株式会社みらい共創アドバイザリー(旧:みらいエフピー株式会社)の取締役に参画しました。そして2023年4月1日付で、34歳の若さで代表取締役社長に就任しました。

同社は、過剰債務や資金繰りの悪化などで、自力再生が困難になった中小企業に対し、買い手となるスポンサー探しや債務整理の手続きといった再生型M&Aを中心に業務を行う専門企業です。小林氏は社長業(経営計画の作成や業績管理、経営の意思決定)の傍ら、アドバイザーとして現場の最前線に立っています。

III. 山口教授が回想する学生時代の「貪欲な学び」

1. 大学での挑戦と学び

金融分野に関心があった小林さんは、山形大学で山口昌樹教授のゼミに所属しました。ゼミでは論理的思考やプレゼンの仕方などを学び、金融を通して社会を見る目を鍛えたと振り返ります。

また、大学1年生の秋からは、自ら貯めた資金を元手に株式投資にも挑戦しました。大学4年生の時には、自身が大学内で立ち上げた就活支援サークルが縁となり、都内のベンチャー企業の新規立ち上げインターンシップに参加。パソコンとホワイトボード一つで始まった事業が徐々に拡大していく様子を見て、「ビジネスの面白さ」を知るきっかけとなりました。

2. 山口教授による回想

山口教授は、小林さんが在籍した当時のゼミ指導は今と比べられないくらい「ハードなもの」であったと回想しています。その指導は、学生に「社会で生き抜く力」を付けさせたいという思いから、「アウトプットする訓練を集中的にやっていた」といいます。

ゼミ生時代の小林さんについては、「懸命にメモを取っていた様子」が印象に残っており、当時から「貪欲に学ぶ姿勢」が目立つ学生であったと振り返っています。

IV. 出版に込めた思いと後輩へのメッセージ

1. 「クライアントファースト」の追求と仕事へのプライド

銀行時代に「これまで利益優先が当たり前と思っていた自分」にとって、MACPが掲げる「クライアントファースト」の考えが新鮮で感銘を受けたことが、M&A業界への転職の動機となりました。M&Aは、より専門性の高い知識や経験が求められ、誰もができる業種ではない所にも魅力を感じたといいます。

特に再生型M&Aの仕事について、「債権者集会で出席者から罵声を浴びせられるなどの修羅場は何度もあります」と話します。しかし、「会社が破産すれば従業員や取引先などたくさんの人が困る。事業の譲渡先を見つけることができれば、雇用は維持でき連鎖倒産も防げる」ため、「私たちが地域経済の一端を担っているというプライドを持って仕事をしている」と語ります。

債権債務が複雑で資金ショートが半年後という状況で、上司から手を引くよう勧められた難しい案件でも、「簡単には諦めたくない」との思いから粘り強く取り組み、資金ショート一歩手前でのM&Aに成功した経験が、小林さんにとって大きな自信となりました。

2. 後輩たちへ:「自己実現できるフィールドは無限大」

小林氏は、山形大学の後輩たちへ温かいエールを送ります。

「働くことにマイナスのイメージを持つ人もいるかもしれませんが、社会には自己実現できるフィールドが無限に広がっています」。リスクを恐れずに、自分のやりたいことに挑戦する醍醐味を味わってほしいと呼びかけます。

また、「大学で経験したことや人間関係はこれからの人生で大きな糧となります。大いに遊んで学んで、悔いのない学生生活を送ってください」と結びました。

オフィスでの小林氏

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