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東日本大震災の地域経済への影響

戸室健作・殷勇・山口昌樹(著)

山形大学人文学部叢書2:2013年3月

〔内容紹介〕

 本書の目的は被災地の経済復興ビジョンを描くための基礎となる実態分析を企業経営、雇用、金融の3つの観点から実施することである。分析能力を地域に還元することで被災地に隣接する大学として震災後における東北地方の経済復興に幾ばくかの貢献を企図するものでもある。
 雇用については、まず震災以前から東北で貧困世帯、中でも就業貧困世帯(ワーキングプア)の割合が増大していた事実を解明した。そして、震災後の雇用状況を各種の統計資料を用いて明らかにすることによって、東北において広がっていた貧困に震災がどのような影響を及ぼしたのかを検討した。
 企業経営についてはサプライチェーンの断絶を調査対象とする。震災により日本が誇るサプライチェーンが大きな痛手を受け深刻な混乱に陥った。事例調査によって被災地企業のサプライチェーンがどんな脆さを抱えていたのかを浮き彫りにして改善策を提案した。
 金融については復興の大きな足かせとなっている二重ローン問題を取り上げる。地域金融機関が直面している現状をまず財務データから明らかにした上で、旧債務の整理や新債務の創出に関する政策が現実と齟齬を来していないかを調査、報告した。

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