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「フランスにおける死刑制度の歴史」講演会を開催しました 8月1日(火)

2023年8月4日

8月1日(火)午後、山形大学法学会主催の研究会「フランスにおける死刑制度の歴史:大革命からその廃止まで」をニコラ・ピカール氏(パリ第一大学連携研究員)を講師としてお迎えして、人文社会科学部にて開催しました。

 講演と質疑応答は本学名誉教授の阿部宏慈先生によるフランス語-日本語の逐次通訳とともにおこなわれ、本学の教員と多数の学生の参加を得て、聴衆は30人ほどでした。

 講演では、フランス近代の死刑制度は革命前の「アンシアン・レジーム(旧制度)」に基礎づけられたもので処刑と恩赦がともに王の権威と密接に結びついていたこと、18世紀の啓蒙思想家のなかでも死刑をめぐる対立があったこと、革命期の大量処刑をへて19世紀の末には死刑判決と処刑数が減少して廃止論が議論されるようになり、国家には殺す権利はないという人権意識の高まり、そして廃止を公約して当選したミッテラン大統領のもとで1981年の廃止に至ったことなどが紹介されました。

 講演ののちの質疑応答の内容は、現在のフランスでの死刑制度復活の主張の背景にあるものや、死刑制度を知らない若い世代への教育の難しさ、日本で死刑制度正当化の理由になっている被害者感情論と似たものがフランスではテロの犠牲者への同情として表れていること、警察官による容疑者の殺害という法の外での死刑執行の問題点など多岐に亘り、講演内容ともども「死刑存置国」日本に住む参加者にとって非常に刺激になり、有意義なものになりました。

文責:山形大学法学会 会長 松本邦彦(人文社会科学部)

 

講師のニコラ・ピカール氏(左)と翻訳・通訳者の阿部宏慈先生(右)

講演会の様子

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