「少子高齢化社会と多文化共生」 国際学術講演会を開催しました
2022年3月10日
山形における少子高齢化社会と多文化共生を考える講演会が、2022年3月5日(土)、山形大学人文社会科学部(小白川キャンパス、山形市)で行われ、会場・オンラインを合わせて約70名が参加しました。
講演会では、外国人の受け入れや外国人労働者を取り巻く現状と課題について、松本邦彦教授(山形大学人文社会科学部担当)、李善姫助教(東北大学東北アジア研究センター)、岸見太一准教授(福島大学行政政策学類)、大沼みずほ准教授(大正大学地域構想研究所)の4名が、それぞれの専門分野の視点から報告を行いました。
次いで行われた討論では、外国人労働者を取り巻く問題について、その要因のひとつに現状の法制度が違法な慣行を黙認している点が指摘され、「モラルやバイアスなど無意識下に生ずる問題を制度によって解消するデザインが必要」との見解が示されました。一方、経済の面においては外国人労働者と企業とのニーズはマッチしており、「そうした成功事例を収集し、個別の制度改正を積み上げていくことが大事」との意見が出されました。
また、人口減少のなかで、我が国がこれからの暮らしを維持・発展させるには外国人の力が不可欠であるとし、「外国人が日本で共生するために最も重要なことは、地域の方と日本語でコミュニケーションが行えること。国がしっかりと日本語教育を行っていくことが必要である」との意見が述べられました。