研究テーマ
- (1) 国連安全保障理事会の憲章第7章に基づく権限・機能に関する実証的研究。およびそこで生じる法的諸問題を統一的に把握する視点としての「立憲的アプローチ」に関する理論的研究。
(2) 人の移動をめぐって生じる諸問題に対する国際組織の役割・機能に関する研究
(3) 安達峰一郎に関する研究
論文
- 国連集団安全保障制度の法的課題―ウクライナ侵攻をめぐって,法学教室,(509) 30-34,2023年02月
単著
- COVID-19は平和に対する脅威ではないのか―国連安全保障理事会の可能性―,国際法外交雑誌,120(1・2) 63-74,2021年08月
単著
- 国連狙い撃ち制裁レジームの国際公共的性格について,山形大学法政論叢,(70・71合併) 209-240,2019年03月
単著
- 国際組織の「事後の実行」再考―ILC結論草案を手がかりに―,一橋法学,17(3) 95-114,2018年11月
単著
- The NY Declaration for Refugees and Migrants Adopted by the UN General Assembly: Towards a New International Legal Framework?,Yamagata University Faculty of Humanities & Social Sciences Annual Research Report,15 171-184,2018年03月
単著
- 国連安全保障理事会における「補完性原則」の可能性に関する覚書,国際法研究,(6) 47-73,2018年03月
単著
- 「混在移動」概念と国際組織による人権基盤アプローチ―北アフリカと中東の難民・移民問題を手がかりに―,山形大学法政論叢,(65) 1-42,2016年03月
単著
- 国連安全保障理事会による「国際立法」とその実施に関する一考察―国際立憲主義の観点から―,山形大学法政論叢,(62) 145-199,2015年03月
単著
- カディ事件 欧州司法裁判所 2008年9月3日大法廷判決,杉原高嶺・酒井啓亘編『国際法基本判例50 第2版』, 178-181,2014年03月
単著
- 国連安全保障理事会と国際法の「立憲化」-法的コントロールの問題を中心に-,世界法年報,(33) 65-93,2014年03月
単著
- 【判例評釈】国連安全保障理事会決議に基づく狙い撃ち制裁の実施と欧州人権条約上の義務―Nada対スイス事件(欧州人権裁判所大法廷2012年9月12日判決)―,山形大学法政論叢,(56) 35-62,2013年03月
単著
- 国連安全保障理事会における立憲主義の可能性と課題―国際テロリズムに関する実行を素材として―,国際法外交雑誌,111(1) 20-46,2012年05月
単著
- 安達峰一郎と国際裁判,山形大学都市・地域学研究所編『山形学―山形の魅力再発見―』山形大学出版会, ,2011年02月
単著
- 国連安全保障理事会と自由権規約委員会の関係―狙い撃ち制裁に関わるSayadi事件を素材として―(2・完),山形大学法政論叢,(49) 60-100,2010年10月
単著
- 国連安全保障理事会と自由権規約委員会の関係―狙い撃ち制裁に関わるSayadi事件を素材として―(1),山形大学法政論叢,(48) 61-98,2010年06月
単著
- 国連安全保障理事会に対する立憲的アプローチの試み―予備的考察―,山形大学紀要(社会科学),40(1) 33-63,2009年07月
単著
- 国連安全保障理事会による国際テロリズムへの対応―狙い撃ち制裁をめぐる法的問題に関する一考察―,国連研究(国連憲章体制への挑戦),(9) 133-156,2008年06月
単著
- 国際連合安全保障理事会による国際法の執行・強制機能―立憲的アプローチの可能性と問題性に関する一考察―,博士論文(一橋大学), ,2008年03月
単著
- 国際連合安全保障理事会の憲章第七章に基づく国際法の執行・強制機能に関する序論的考察,一橋論叢,(131) 67-88,2004年01月
単著
学外での活動(高大・地域連携等)
- 山形県爆発物原材料取扱事業者等ネットワーク総会(講演)「国際テロ対策と国際法―国連安全保障理事会の取組みを中心に―」(於、山形県警察本部),2015年10月
- 岩手県立大船渡高校出張講義「国際法って何?―捕鯨問題を通して考えてみよう―」 ,2015年10月
- 東北学院高校出張講義「国際法って何?―捕鯨問題を通して考えてみよう―」 ,2015年08月
- 福島県立橘高校出張講義「国際法って何?―捕鯨問題を通して考えてみよう―」,2014年10月
- 福島県立喜多方高校出張講義「国際法って何?―捕鯨問題を通して考えてみよう―」,2014年10月
- 平成26年度人文学部公開講座「グローバル世界と日本はどう付き合うか」(第4回),2014年10月
- 福島県立喜多方高校出張講義「グローバル・イシューズと国際連合」,2013年10月
- 新庄北高校研究室訪問受入れ「領土問題と法」,2012年08月
- 新庄北高校出張講義「国際連合とは何か」,2010年11月
- 新庄北高校平成21年度山形大学研究室訪問受入「普天間基地問題」,2010年08月
- 山形大学都市・地域研究所公開講座<山形の魅力再発見パート7>「安達峰一郎と国際裁判」 ,2009年10月
- 新庄北高校平成21年度山形大学研究室訪問2組受入「世界各国の少年兵の未来」「商品としての戦力(いわゆる戦争請負会社について)」 ,2009年08月
相談に応じられる分野
インタビュー
― : 先生のご専門は国際法ですが、具体的にどんなことを研究していらっしゃるのでしょうか?
丸 山: 国際法は、一言で言えば「国際社会の法」です。基本的には国と国との関係を規律する法ですが、現在では国連をはじめとする国際組織や、個人や企業の活動も規律の対象になってきています。また、国際法は、戦争と平和、国境問題、外交関係といった伝統的な問題だけでなく、人権、地球環境、開発・貧困、難民・移民、通商・経済活動など、我々の日々の暮らしに密接に関わってくる問題も対象とするようになっています。ですから、国際法は決して遠い世界の話ではないといえます。国際組織法は、そうした国際法の発展に大変に重要な役割を果たしている国連や、IMF、世銀、WTO、EUなどといった国際組織の組織構造や活動に関する法を対象とします。こうした国際組織についてはニュースや新聞で見聞きしたことがあると思いますが、それらはただ何となく思うがままに活動しているのではなく、例えば国連について言えば、国連憲章という条約すなわち国際法に基づいて活動しているわけです。ですから、国連の活動を理解する場合には、国連憲章を詳細に検討する必要があるわけです。私はそのなかでも安全保障理事会(以下、安保理)の活動・権限・機能について研究しています。
― : 日本は確か常任理事国入りを希望していますよね。
丸 山: そうです。安保理については、日本が常任理事国になるべきかどうかということがよく話題になりますが、その前提として、そもそも安保理は国際社会においてどのような役割を果たそうとしているのか、また果たすべきなのか、について日々考えています。また、安保理は結局大国(とくに米国)の言いなりだ、という意見も聞かれますし、実際、それは一面の真理なのですが、じゃあ、それに対して国際法は何もできないのかというとそういうわけでもないと。そういった問題意識から、安保理の活動をどのように法的にコントロールしていくか、ということについて研究を進めています。
― : 先生はどうして国際法を研究するようになられたのでしょうか?
丸 山: 高校生のときに、外国で生活したいと思い、じゃあ外交官だ!と何となく思っていました(笑)。それで大学は国際関係を学べるところを選択しました。そこで国連職員の経験を持つ先生方と出会いました。その影響で、国際組織に興味を持つようになりました。そして、その先生方の専門がたまたま国際法だったということで、国際法をもう少し専門的に学んでみようと思ったのです。そして、大学院では国際組織法で著名な先生に指導してもらうことになったのですが、気づいたらいつの間にか国際法の魅力にとり憑かれていたというわけです(笑)。
― : 最後に高校生にメッセージをお願いします。
丸 山: 大学時代の恩師の受け売りですが、次の言葉をメッセージとして送りたいと思います。人として生まれた以上、誰でも社会をよりよくしていくという使命を与えられています。どんなことでも、小さなことでも、自分が社会をより良くしていくんだという「意思」と、そのための「能力」を備えるよう努力を積み重ねていってください。山形大学法経政策学科は、広く国際関係に興味・関心のある学生も大歓迎です!