研究テーマ
- (1)資金計算書,財務状態変動表,あるいはキャッシュフロー計算書のような「第三の基本的財務表」に関する会計基準の設定過程の分析 (2)新しい会計基準を設定するに先立って作成し,かつ公表されてきた財務会計および財務報告の「概念的枠組み」についての比較考察 (3)金融商品に関する会計基準設定の国際的動向の分析 ○授業内容 「複式簿記の機構に支えられた現行の企業会計」の一連のプロセスを,会計担当者側の観点,会計基準設定者側の観点,会計情報利用者側の観点,のそれぞれから考察していく。
論文
- 講評:企業会計のパラダイム・シフト--「期末資本2重計算」と会計的Codeの形成ーー,財務会計研究,(13) 62-69,2019年08月
単著
- 会計の測定問題として「公正価値」の意味を考える,山形大学人文社会科学部研究年報,(15) 61-77,2018年03月
単著
- 会計の測定問題として『公正価値』の意味を考える,山形大学紀要(社会科学),15 61-77,2018年00月
単著
- 韓国大学における会計教育の実態調査および分析(2)-大学教員へのインタビューを中心に-,山形大学紀要(社会科学),46(2) 67-81,2016年02月
共著
- 韓国大学における会計教育の実態調査および分析(1),山形大学紀要(社会科学),46(1) 139-168,2015年07月
共著
- リース取引に関する会計の基本問題,山形大学紀要(社会科学),45(1) 79-90,2014年07月
単著
- 新しい財務諸表の制度化から見る複式簿記スステム,山形大学人文学部研究年報,(8) 161-177,2011年03月
単著
- 包括利益計算書の制度化に学ぶ-会計理論の発想の転換をめざして-,山形大学人文学部研究年報,(7) 85-99,2010年03月
単著
- 企業会計と財務報告-IASB&FASBの共同概念フレームワークプロジェクトにおける公開草案(ED[2008] )の考察を中心として-,山形大学紀要(社会科学),39(2) 107-123,2009年02月
単著
- 新しい財務票の制度化と財務諸表の体系-イギリスにおける「キャッシュフロー計算書」および「総認識利得損失計算書」の制度化を中心として,山形大学紀要(社会科学),35(2) 153-173,2005年02月
単著
- 財務報告制度における意思決定有用性アプロ-チ―国際財務報告基準(IFRSs)序文の改訂によせて―,山形大学紀要(社会科学),33(2) 111-130,2003年02月
単著
- キャッシュ・フロー計算書の作成方法に関する一考察 -会計理論の再構築をめざして-(共著),愛智淑徳大学論集-コミュニケーション学部篇-,(2) 69-83,2002年03月
共著
- 会計基準の設定過程に見る公正価値概念の変遷,東北大学経済学会 研究年報『経済学』,63(4) 141-152,2002年02月
単著
- 会計基準の設定過程に見る金融商品の定義──FASBにおける作業の分析を中心として──」,東北大学経済学会研究年報『経済学』,61(2) 43-56,1999年09月
単著
- キャッシュフロ-計算書の役割(共著),『企業会計』,47(7) 71-78,1995年07月
共著
- 「キャッシュフロ-計算書」制度への収斂過程-アメリカにおける調査・研究活動の吟味を中心として-,東北大学経済学会 研究年報『経済学』,56(1) 141-158,1994年06月
単著
- キャッシュフロ-計算書の国際的制度化に学ぶ-会計理論探究の一つの手掛かりとして-,日本会計学会編集『會計』,144(6) 96-108,1993年12月
共著
- 「キャッシュフロ-計算書」の国際的調和化-国際会計基準第7号の改訂を中心として-,東北大学経済学会 研究年報『経済学』,55(2) 139-155,1993年11月
単著
- キャッシュフロ-計算書の作成方法と開示方法-「誘導法」と「直接法」との接合をめざして-,日本会計学会編集『會計』,144(2) 121-130,1993年08月
単著
- 「キャッシュフロ-計算書」の基本問題-イギリスにおける制度化を中心に学ぶ-,東北大学経済学会 研究年報『経済学』,54(3・4合併) 77-95,1993年03月
単著
- 韓国における財務状態変動表の制度化に学ぶ(共著),日本公認会計士協会編集『JICPAジャ-ナル』,4(10) 34-39,1992年10月
共著
- 韓国における現在価値基準の制度化に学ぶ(共著),日本会計学会編集『會計』,142(3) 92-101,1992年09月
共著
- 「財務状態変動表」の基本問題-韓国の会計基準の吟味を中心として-,東北大学経済学会 研究年報『経済学』,53(1) 65-84,1991年07月
単著
著書
- 複式簿記概説,五絃舎,2020年03月
- 財務報告の方法と論理,五絃舎,2019年05月
- 企業会計スステムの現状と展望-会計記号論を視野に入れつつ-,五絃社,2017年03月
- 簿記会計入門,五絃社,2013年04月
- キャッシュフロ-計算書-その国際的調和化の現状と課題-(共著),東京経済情報出版,1995年04月
学外での活動(高大・地域連携等)
- 社会科学への誘い―企業の成績表を読んでみませんか―(出張講義・聖和学園高等学校),2009年08月
相談に応じられる分野
インタビュー
― : 先生は会計学を研究されていますが、具体的にどんなことを研究してらっしゃるのでしょうか?
洪 : 会計学は財務会計と管理会計の2つに分かれています。管理会計は企業の経営管理者に会計情報を提供することです。私が研究しているのは財務会計です。
― : 財務会計とは何でしょうか?
洪 : 財務会計とは企業の経済活動を会計情報利用者、つまり株主や債権者に向けてのその企業の財務諸表などの作成にかかわる分野をいいます。会計学(Accounting)はAccount(説明)という言葉から由来し、企業の内部者や外部者に「説明」するのが会計学です。
― : 難しそうですね。
洪 : でも家には家計簿があるでしょう?
― : はい、あります。
洪 : 企業の家計簿が財務諸表です。違うのは家の家計簿はお金の出し入れという一面だけを書きますが、企業の財務諸表はお金の出し入れのほかに、何を手に入れたかのようなもう一つの面もあらわしています。したがって株式や商品のような資産や債務がどれくらいあるかが分かります。
― : それをみたら、企業が今どんな状況にあるのかわかるのですね。
洪 : そうです。しかし、そのためには複式簿記を勉強しなければなりません。財務諸表は複式簿記というビジネス言語で書かれていますからですから、そのルールを知らないと読めません。
― : 先生はどうして会計学を勉強しようと思ったのでしょうか?
洪 : 私は韓国人なのですが、大学に入学した1970年代後半は韓国はちょうど高度経済成長期でした。そのような経済環境を背景に大学の仕組みも大きく変わり、経営学部に新たに会計学科という学科ができました。私は高校まで会計については何も知りませんでした。大学に入るときに会計学という新しい分野の勉強ができると思い、会計学科に入りました。
― : 好奇心旺盛な学生さんだったのですね。
洪 : 実際に会計学を勉強してみたら、会計学は論理的で面白かったです。しかし大学を卒業するときに会計学をまだ本当には理解していないと思い、大学院に行き、さらに日本に留学しようと思ったのです。
― : 先生はなぜ日本の会計学を勉強しようと思ったのでしょうか?
洪 : 会計学は世界共通のビジネス言語です。韓国語で書いてあろうと、日本語で書いてあろうと、研究対象は同じなのです。だから日本、韓国とこだわることなく会計学を勉強しています。
― : では最後に高校生に一言お願いします。
洪 : マスコミや他人の言ったことを鵜呑みにせず、自分の頭で考え、自分の心で感じてください。