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伊藤 豊

ITŌ Yutaka

コース:グローバル・スタディーズコース
メールアドレス:yuito_shigekura_kochi@yahoo.co.jp
ホームページ:
オフィスアワー:シラバスを参照してください。
専門領域:比較文化論
大学院担当:文化システム専攻 比較文化論
山形大学研究者情報:http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/html/42_ja.html

※メールアドレスの@以降は「human.kj.yamagata-u.ac.jp」になります。

研究テーマ

  • 19世紀中葉以降のアメリカと日本における「文化」ならびに「芸術」の 政治化という問題を検討しつつ、ここ数年かかりっきりになっているフ ェノロサの研究を続行中。

論文

  • イギリスにおけるホモセクシュアリティ合法化の問題―「ウォルフェンデン報告書」を読む,『同志社法学』,(321) ,2007年00月
    単著
  • 預言者・改革者としてのE・F・フェノロサ―ボストン美術館在任時の活動を中心に―,『山形大学人文学部研究年報』 ,(2) ,2005年00月
    単著
  • Art as a Reforming Force of Culture: Ernest F. Fenollosa and the Utopianization of East Asiatic Art,『比較文化研究』,(67) ,2005年00月
    単著
  • フェノロサの美術理論はどこから来たか―W・スミスとの比較に基づく一仮説,『LOTUS:日本フェノロサ学会機関誌』,(25) ,2005年00月
    単著
  • 現代アメリカの反移民主義―国境を越える文化の創造と、アメリカという『夢』の行方― ,『敬和学園大学人文社会科学研究所年報』 ,(3) ,2005年00月
    単著
  • The Social Meaning of the "Japan Craze" in Late Victorian America,『比較文化研究』,(64) ,2004年00月
    単著
  • 「文化戦争」の批判的考察:T・イーグルトン『文化という概念』を読む,『比較文化研究』,(60) ,2003年00月
    単著
  • The Salem World of the Fenollosas: Manuel Emilio, Manuel Fenollosa, and Young Ernest Fenollosa in Salem,『日本フェノロサ学会機関誌LOTUS』,(23) ,2003年00月
    単著
  • Why Art Education Mattered: Ernest F. Fenollosa’s Philosophy of Art Education and Its Impact on Meiji Japan,Proceedings of the Midwest Philosophy of Education Society: 1999-2000, The Midwest Philosophy of Education Society, Chicago, Illinois., ,2001年00月
    単著
  • 岡倉天心と明治国家,『同志社法学』第233号 同志社法学会,(233) ,1993年00月
    単著

著書

  • Words Quite Fail: The Life and Thought of Ernest Francisco Fenollosa(Ph.D. dissertation).,,2002年01月

学外での活動(高大・地域連携等)

  • 異文化交流の考え方:移民を中心として(進路研究会 II・山形県立酒田西高等学校),2009年10月

相談に応じられる分野

  • 文化活動・英語・国際交流

インタビュー

 ― : 先生の専門分野は比較文化と文化交流史ですが、全てに文化がついています。そもそも文化とはなんでしょうか?
伊 藤: 日本で文化という言葉が一般化したのは主に大正期のことですが、英米圏でもcultureという言葉が普通に使われるようになったのはそれほど古くなく、せいぜい百五十年前くらい前のことです。もともとcultureの意味は「耕す」であり、「土を耕す」代わりに「心を耕す」ことで精神の洗練が生み出され、これが今日的な意味での「文化」へとつながっていきます。比較文化の定義は大変広いのですが、私はその中でもアメリカ文化史や日米文化交流史を中心として研究しています。
 ― : 「文化」という言葉が「耕す」という言葉から来ているとは知りませんでした。アメリカ文化史や文化交流史とはどういう研究なのでしょうか?
伊 藤: 主に十九世紀のアメリカのオリエンタリズムについて研究をしています。おおまかな話をすると、ヨーロッパにとってのオリエントとはイスラムのことですが、十九世紀後半期アメリカのオリエントといえば、特に極東アジアや日本を指します。交通テクノロジーの発達により太平洋航路がひらかれ、また日本が開国すると、様々な人たちが日米を行き来し文化の次元で交わった結果、オリエントをめぐる様々な言説が形成されていきました。例えば、もともと日本にキリスト教を広めるためにやって来た宣教師が、異教であるはずの仏教の長所に着目し擁護するといった、奇妙な現象も出てきます。さすがに宣教師の中で改宗した人はいなかったでしょうが、一方で来日した西洋人の中には仏教に深い関心を寄せ、キリスト教徒であることと並行して、仏教徒となった者もいます。もちろんキリスト教は一神教なので、二つの宗教を同時に持つことは辻褄が合わないのですが、彼らは日本で生活するうちに柔軟な態度をとるようになり、結果として信仰を含めた生き方の総体が変わってしまったといえるでしょう。
また最近では、アメリカ社会の移民をめぐる言論にも大変興味を持っています。移民を受け入れることに反対な反移民主義の側と、基本的に賛成している多文化主義の側との対立が、研究の焦点です。移民をアメリカ社会の組成へと取り込み、「アメリカ人」と化していくことの是非をめぐって、反移民主義陣営の論客たちが展開している同化肯定論を、特に考察の対象としています。
 ― : 先生はなぜ比較文化を研究しているのでしょうか?
伊 藤: あまり明確な理由はないのです。大学院の博士課程3年のとき、日本で職が見つかるあてもなかったので、アメリカに留学することにしました。それまでは近代日本政治思想史を研究していたのですが、どうせアメリカで勉強するならアメリカの歴史を、それも思想史にある程度近そうな文化史を研究することにしました。6年半アメリカで勉強した後、山大に就職して比較文化の授業を担当し、二年目からは文化交流史も講じ始めて、今に至っています。まぁ、そういうことです。
 ― : 高校生に一言お願いします
伊 藤: 大学で何を研究するにせよ、まずは体力です。記憶力、体力が充実しているうちに語学を学ぶことをお勧めします。今は受験勉強で大抵の人たちが英語を勉強していると思いますが、興味があったらほかの語学も学んでみてください。

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