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IKEDA Mitsunori
コース:グローバル・スタディーズコース
メールアドレス:ikeda@
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オフィスアワー:シラバスを参照してください。
専門領域:言語学
大学院担当:文化システム専攻 言語学
山形大学研究者情報:http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/html/518_ja.html
※メールアドレスの@以降は「human.kj.yamagata-u.ac.jp」になります。
― : 先生が研究されている言語学というのはどんな学問ですか?
池 田: 人間は言語学とは言葉の仕組み(規則)を解明し、なぜそのような仕組みになっているのかを説明しようとする学問です。言語学は大きくわけて、ある時代の言語だけを取り上げて研究する「共時言語学」と言語がどのように変化したかを研究する「通時言語学」という2つの種類があり、私が研究しているのは主に「通時言語学」で、八世紀から十一世紀頃までの中世時代のドイツ語を対象に主として「語順」の変化を研究しています。
― : 日本語では、歴史をさかのぼっても語順は変化していないようですが。
池 田: その通りです。日本最古の『古事記』を見ても昔からSOVの語順は変化していません。しかしヨーロッパの言語には最初に副詞などがあっても必ず動詞が文の2番目にくるドイツ語などや、動詞が最初に来るアイルランド語などがあります。これらの言語はもともとインド・ヨーロッパ祖語と呼ばれる一つの言語から派生したのですよ。それなのにどうして語順が変化したのか、それが大きな疑問です。
― : 現代のヨーロッパの諸言語は、ある祖先の言語から分かれてできたのですね。
方言が分化するのと似ていますね。
池 田: そのようなイメージです。同じ言語をしゃべる部族が何らかの理由で分かれた後、言語もそれぞれ別個に少しずつ変化していった結果が現代の諸言語であると考えられています。
― : 変化をたどる資料はたくさん残っているのですか?
池 田: 昔は録音機械もありませんから話し言葉は消え、書き言葉のみが残ります。そのためさかのぼるには限界があります。少ない資料から証拠となるものを集め、説を組み立てていくのが通時言語学のおもしろさです。
― : 先生はなぜ言語学、特に通時言語学を選んだのでしょうか?
池 田: 大学で第2外国語としてドイツ語を学習し、不規則な変化をする動詞を楽をして暗記しようとして教科書巻末の動詞の一覧表を分類してみると、7つくらいのパターンに分類できることに気がつきました。後で詳しく調べてみると、自分の分類が正しかったことがわかり、嬉しかったです。また中学、高校と丸暗記していた英語の不規則動詞も同じような分類ができ、その原因がドイツ語と英語が同一の祖先をもつ言語から分化した言語ということを知り、言語の歴史(変化)に興味を持ちました。
― : 最後に高校生に一言お願いします。
池 田: 言語に限らずある現象に接したときに常に「なぜそうなっているか?」ということを考えてみる態度を身につけることが大切です。山形大学人文学部は先生と学生が親密ですぐに疑問について話し合えます。しかしその前に自分なりに考えて得た結論を持っていきましょう。きっと自分で考えないで先生と話したときよりももっと深く話し合えると思います。
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