教員紹介

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中澤 信幸

NAKAZAWA Nobuyuki

コース:人間文化コース
メールアドレス:nakazawa@
ホームページ:http://www-h.yamagata-u.ac.jp/~nakazawa/
オフィスアワー:シラバスを参照してください。
専門領域:日本語学
大学院担当:文化システム専攻 日本語史
山形大学研究者情報:http://yudb.kj.yamagata-u.ac.jp/html/100000201_ja.html

※メールアドレスの@以降は「human.kj.yamagata-u.ac.jp」になります。

研究テーマ

  • 日本漢字音と中国語諸方言音

論文

  • 關於明治時期的東亞漢字音對比研究的檢查和證實,多聲道的台灣共同體 跨語域交織的主體性和創造性, 3-25,2023年01月
    単著
  • 王育徳の閩音系音韻体系再考 ―『閩音系研究』第3章―,山形大学大学院社会文化創造研究科社会文化システムコース紀要,(19) 25-41,2022年09月
    単著
    https://www-hs.yamagata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2022/09/955a6d45b6f1dab669a6fb5b884085ad.pdf
  • 研究ノート 山形の日台交流の現状と課題,山形大学人文社会科学部研究年報,(19) 105-114,2022年03月
    単著
  • 「日台大辞典緒言」について,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(17) 69-80,2020年09月
    単著
  • 王育徳の閩音系分布概況および親疎関係研究再考 ―『閩音系研究』第1・2章―,天理臺灣學報,(29) 47-66,2020年07月
    単著
  • 「俗音」考,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(16) 70(1)-59(12),2019年09月
    単著
  • 20世紀初頭台湾語語彙の残存状況について,天理臺灣學報,(28) 31-50,2019年07月
    共著
  • 東方孝義編『台日新辞書』所収語彙の特徴,天理臺灣學報,(27) 97-118,2018年06月
    共著
  • 台湾語母語話者と日本漢字音,天理臺灣學報,(26) 93-112,2017年07月
    単著
  • 台湾人日本語学習者と台湾語音 ―母語意識・居住地域等との相関から―,天理臺灣學報,(25) 121-139,2016年07月
    単著
  • 日本語教育における台湾語音活用と「日台基本漢字」,台灣文學研究,(8) 11-41,2015年06月
    単著
  • 日本語教育における台湾語音の活用 ―銘傳大学の日本語学習者を対象にした意識調査―,銘傳日本語教育,(17) 23-40,2014年10月
    単著
  • 小川尚義の著作に見る国語意識,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(11) 17-31,2014年09月
    単著
  • 日本語教育における「日台基本漢字」発音対照表の可能性について,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(10) 13-20,2013年10月
    共著
  • 日本語の漢音・呉音と台湾語の読書音・俗音,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(9) 59-68,2012年10月
    単著
  • 『日台大辞典』と東アジア共通漢字,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(8) 89-101,2011年10月
    単著
  • 『日台大辞典』付載「日台字音便覧」について,山形大学大学院社会文化システム研究科紀要,(7) 162(1)-154(9),2010年10月
    単著
  • 「-ng韻尾」認識の変遷と漢字音資料 ―未来の中国語学習へ生かすために―,田島毓堂編『日本語学最前線』(和泉書院), 665-684,2010年05月
    単著
  • 山形大学学生の方言意識について,山形方言,39 左16-26,2009年09月
    単著
  • 斉韻字に対する字音注の変遷について,国文学攷,202 1-14,2009年06月
    単著
  • 日遠『法華経随音句』における「呉音」「漢音」,訓点語と訓点資料,120 60-75,2008年03月
    単著
  • 『磨光韻鏡』と『磨光韻鏡字庫』,国語学,55(1) 16-29,2004年01月
    単著
  • なぜ日遠は伝統的読誦音を改変したか,訓点語と訓点資料,104 1-12,2000年03月
    単著

著書

学外での活動(高大・地域連携等)

  • 日台政策研究所学術シンポジウム 中央と周辺,2023年12月
  • 第13回安達峰一郎記念世界平和弁論大会,2023年11月
  • 日台政策研究所設立5周年記念シンポジウム 日本と台湾のこれから,2023年02月
  • 第12回安達峰一郎記念世界平和弁論大会,2022年11月
  • 山形県立長井高等学校 出張講義,2022年07月
  • 山形における少子高齢化社会と多文化共生~結婚移住から労働移住まで~,2022年03月
  • 宋美齢の生涯 ~蒋介石夫人としての活動から晩年まで~,2021年12月
  • 第11回安達峰一郎記念世界平和弁論大会,2021年11月
  • 山形弁を商機に! ~薄れる文化を次世代へ残す~,2021年10月
  • おしょうしな―山形の方言から言葉について考えよう,2021年07月
  • 山形県立長井高等学校 オンライン講義,2021年07月
  • 2021年に急浮上した「台湾」の存在感 海峡有事に日米はどう備えるか,2021年06月
  • 台湾高速鉄道の建設と運営 ―NHKドラマ「路」で触れられなかった事実―,2021年01月
  • 第10回安達峰一郎記念世界平和弁論大会,2020年11月
  • 新潟県立十日町高等学校 オンライン講義,2020年10月
  • 台湾におけるコロナウイルスの現状と今後,2020年08月
  • 日台関係のこれから,2020年02月
  • 第七代台湾総督明石元二郎の生涯とその貢献,2019年12月
  • 第9回安達峰一郎記念世界平和弁論大会,2019年11月
  • 山形市と台南市の「都市」の魅力再発見 ―歴史と文化に注目して―,2019年11月
  • 福島県立喜多方高等学校 出張講義,2019年09月
  • 「昭和」を生きた台湾青年 王育徳 ―日本で育まれた台湾の民主化運動―,2019年08月
  • 台湾の公学校の日本語(国語)教育,2019年05月
  • 日台における宗教と思想研究 ―仏教と儒学に注目して―,2019年02月
  • 父王育徳を語る ―昭和を生きた 台湾青年,2018年12月
  • “巡礼”による地域の魅力再発見,2018年11月
  • 第8回安達峰一郎記念世界平和弁論大会,2018年10月
  • 宮城県仙台向山高等学校 出張講義,2018年10月
  • 台湾で後藤新平がやったこと ・・・その意味,2018年07月
  • “伝統の創造”の視点から見る祭り ―日台政策研究所設立記念シンポジウム―,2018年02月
  • 山形県立寒河江高等学校 模擬講義,2017年11月
  • 山形の魅力再発見パート14,2016年10月
  • NHK文化センター仙台教室講座,2016年07月
  • 山形県立寒河江高等学校 模擬講義,2015年11月
  • 山形の魅力再発見パート13,2015年10月
  • 映像は語る――ドキュメンタリーに見る現代台湾の光と影,2015年10月
  • 山形県立新庄北高等学校 出張講義,2012年12月
  • 山形の魅力再発見パート10,2012年10月
  • 山形市勤労青少年ホーム(あるず山形)講座,2011年09月
  • かほく町民大学ひなカレッジ「こころ学」講師,2010年10月-2010年12月
  • 宮城県小牛田農林高等学校 出張講義,2010年07月
  • 宮城県古川高等学校 出張講義,2009年11月
  • NHK文化センター山形教室講師,2009年04月-2012年12月

相談に応じられる分野

  • 日本語学(日本語の歴史・漢字音)
  • 日本語教育
  • 台湾語(閩南語)
  • 台湾との異文化交流

インタビュー

 ― : 先生は身近にある漢字を専門にしていらっしゃいますが、具体的にどんなことを研究なさっているのでしょうか?
中 澤: 私の研究分野は日本語学です。漢字も日本語の一部といえますが、主に歴史的な側面から漢字音など日本語の音韻を中心に研究しています。
 ― : しかしテープレコーダーもなかった時代の日本語の音韻をどうやって調べるのでしょうか?
中 澤: 現代の中国語は北京語が標準語ですが、広い中国には様々な方言が残っています。その方言や古い文献から昔の発音を推定します。そして『万葉集』や『古事記』、『日本書紀』などは全部漢字で書かれているので、漢字と発音をつき合わせて古代日本語の音韻を調べるのです。また江戸時代や明治、現代の漢字音についても調べています。
 ― : 先生は最近言われている言葉の乱れについてどう考えていますか?
中 澤: 昔から言葉の乱れはよくありました。鎌倉時代、兼好法師も『徒然草』で言葉の乱れについて嘆いています。しかし合理性があるから乱れが定着するのです。最近でも若者が使う「ら抜き言葉」がありますよね。例えば「見られる」という言葉はもともと可能、受身の意味として使われており、尊敬としては「ご覧になる」が使われていました。しかし最近では軽い尊敬の意味でもこの「見られる」が使われるようになったために、可能、受身と混同するようになってきましたね。そこでこの混同を避けるために、「読める」や「書ける」といった可能動詞の類推から「見れる」という「ら抜き言葉」が使われるようになったのです。言葉は必ず変化します。なぜ変化したのか、言葉の仕組みを考えて使ってほしいですね。
 ― : そこまで日本語の乱れについて考えたことがなかったので、これからは常に意識するようにしたいと思います。現在パソコンを使うようになって、言葉は何か変化したと思いますか?
中 澤: パソコン用語は「インストール」など様々な外来語が輸入されて、そのまま使われていますよね。しかし現代と同じように明治時代たくさんの外来語が輸入された時は、一つ一つ漢語すなわち日本語に翻訳されました。そこが現代と大きく違います。またパソコンでは簡単に難しい漢字に「変換」できるようになったため、難しい漢字が読み書きできなくても使えるようになりました。見ただけで意味がだいだい分かる「表意文字」は、現代では世界でも漢字だけです。パソコンを使うようになって漢字を忘れたと嘆いている人が多いようですが、たいていの漢字は「へん」と「つくり」に別れており、「へん」が意味、「つくり」が音を表すようにできています。常に漢字の「へん」と「つくり」に注目して考えると、忘れにくくなるでしょう。
 ― : 先生はなぜ漢字について研究するようになったのでしょうか?
中 澤: もともと私は日本文学が好きでした。ところが古典文学を勉強しているうちに、物語の内容よりも漢字や言葉そのものの面白さに目覚めていきました。そのなかでも特に漢字の音韻や古典文法に興味を持つようになりました。音韻・文法とも現代と異なるのが大変面白かったですね。
 ― : 高校生に一言お願いします。
中 澤: 正しい日本語を話せないと嘆くのではなく、まずなぜ日本語が乱れるのかを考えて、言葉の仕組みに興味を持ってほしいですね。そうすればすばらしい言葉の使い手になれます。

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